不妊治療について

こんにちは。
はるです。

この記事では不妊検査の流れについてまとめています。

★不妊検査の流れ

・スクリーニング検査を月経周期2周期以内に完了することを目標とし、特定された因子、疑いのある因子に対して二次検査を追加する。
・これらの不妊検査に加えて、妊娠することの安全性を確認することも重要であり、妊娠した場合に問題となる疾患(循環器疾患、代謝性疾患、膠原病など)を除外、または診断するための検査も施行する。

スクリーニング検査不妊因子二次検査
◎基礎体温
◎ホルモン測定
 (LH、FSH、PRL、プロゲステロン[P]、
 エストラジオール[E2])
内分泌・排卵因子◎ゲスターゲン検査
◎GnRH試験
◎甲状腺機能検査
◎耐糖能検査
◎TRH検査
◎染色体検査
◎超音波検査内分泌・排卵因子上記参照
子宮因子◎子宮鏡
◎CT、MRI
◎子宮卵管造影
◎超音波下卵管造影
子宮因子上記参照
卵管・腹膜因子◎腹腔鏡検査
◎クラミジア検査卵管・腹膜因子上記参照
◎頸管粘液検査頸管因子
◎フーナーテスト頸管因子
免疫因子◎精子不動化試験
◎イムノビーズテスト
男性因子◎内分泌検査
◎精管造影
◎精巣生検
◎染色体検査
◎ヘミゾナアッセイ
◎精液検査男性因子上記参照
病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科より抜粋

★月経周期と検査

・ホルモン値や、卵胞径、子宮内膜は、月経周期の時期に変化する。
・正しく評価するためには、適した時期に検査を行う必要がある。
・月経周期に応じて施行すべき検査は以下のようなものがある。

月経7〜9日
(卵胞期)
月経12〜15日
(排卵期)
月経21〜23日
(黄体期)
主な目的下垂体からのホルモン分
泌が、卵胞の発育に適し
た状態かを検査する。
卵胞が成熟しているか頸
管粘液が受精のために適
した状態に変化している
かを検査する。
ホルモン分泌、子宮内膜
が着床に適した状態かを
検査する。
内分泌検査◎LH   ◎FSH
◎プロラクチン(PRL)
◎エストラジオール(E2)
◎プロラクチン(PRL)
◎プロゲステロン(P)
超音波検査◎排卵日予測
◎発育卵胞数
◎卵胞径計測
◎子宮内膜厚
その他◎子宮卵管造影
◎超音波下卵管造影
◎ルビンテスト
◎頸管粘液検査
◎フーナーテスト
◎子宮内幕日付診
病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科より抜粋

・治療の段階に入ると、卵巣予備能を評価するため、月経3日頃卵胞期初期)にFSH、AMH、アントラルフォリクル数を検査することがある。

★排卵時期の予測

・タイミング指導、人工授精において妊娠率を上げるためには、排卵日を知ることが必要である。
・排卵日予測方法で代表的なものは以下のものである。

検査項目排卵日予測のための所見
基礎体温測定体温陥落、低温相から高温相への移行がある。
頸管粘液検査頸管粘液の量の増加、牽糸性の増加、シダ状結晶形成を
認める。
経膣超音波検査卵胞が20mm程度まで発育し、子宮内膜は木の葉様
パターンとなる。
尿中LH測定尿中LH測定キットで陽性反応が出る。
血中エストラジオール(E2)測定E2値がピークとなる。
病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科より抜粋

★基礎体温測定

・体温陥落日はLHサージと一致するとされているが、体温陥落日を常に確認できるとは限らない。一般的には、低温相から高温相へ移行する数日間に排卵しているとされる。正確な予測は困難で、現在では、排卵予測いおいての意義は少ない。
・しかし、測定は簡便で自己測定が可能であり、排卵の有無の確認や、黄体機能の推測ができるといった有用性がある。また、周期を把握することで、他の検査の実施計画を立てることにも役立つ。

★頸管粘液検査

・頸管粘液は、エストロゲンの変化に鋭敏に反応すて性状が変化する。
・排卵期の頸管粘液は、排卵が近づくと量の増加、牽糸性の増加、シダ状結晶形成がみられる。排卵後にはこれらの反応が急速にみられなくなる。

排卵期の性状
◎粘稠度↓   ◎牽糸性↑(10cm以上伸びる)   ◎無色透明
◎量多い(0.3ml以上)   ◎シダ状結晶
病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科より抜粋

・クロミフェンを使用している場合は、抗エストロゲン作用により上記変化が認めにくくなるので注意が必要である。

★経膣超音波検査

・排卵時期予測の最も有用な検査である。
・排卵直前の卵胞径は約20mmとされる。卵胞径の測定とあわせて、子宮内膜の肥厚(木の葉様パターン)をみることで、E2の分泌、作用を確認することができる。
・卵胞発育のモニタリングは、排卵日の予測だけではなく、体外受精での採卵を目的とした卵巣刺激中にも行われ、薬剤投与や採卵のタイミングを決定することにも役立つ。

★ホルモン測定

・排卵期には特徴的なホルモン値の変動を認める。特にLHサージは、正常な排卵に必須のホルモン分泌動態である。
・尿中LH測定は、LH分泌量が増えると、尿中排泄LHも増加することを利用して、LHサージをとらえる方法で、正確な排卵予測が可能である。尿中LH診断キットが市販され、自宅での測定もできる。検査陽性化後1〜2日以内に排卵が起こる。
・血中E2はLHサージ前に上昇し、LHサージ後は低下するので、E2のピークをとらえることで排卵を予測することができる。また、適切に発育している卵胞は、卵胞径が増すだけでなく、内分泌機能も増加する(E2分泌が増加する)ので、卵胞機能を確認するためにもE2測定が行われる。

不妊の原因を見つけるための検査も色々な種類があることが分かります。
次の記事より、いよいよ不妊治療の流れや治療内容についてまとめていきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

はる

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